入部式 『ようこそ ラグビーマッドの世界へ』

2017/05/14

 5月14日、前日からの雨もあがり、時折光が差す中、平塚工科高校ラグビー部入部式が行われた。新入部員は16名。保護者やOBの前で、堂々と入部の挨拶を行った。

 4月の入学式から1ヶ月、総勢6名の上級生と私で根気強く勧誘を行った。

 入学式の前日、上級生たちに「新入生獲得の目標は何人?」と尋ねたところ、「6人くらい」「いや、秋は単独チームで出たいから何とか9人入れたい!」という回答だった。

 そんな回答に対し、「それでいいの?」という顔をしている私に気づき、誰だかが冗談っぽく口にした。「1年生だけで15人!」。待ってましたとばかりに、私が反応した。「それしかないやろ!」誘導尋問のような流れだったが、目標を「15人」とした。おそらくほとんどの上級生は、それが可能だとは思っていなかっただろう。


 「目標を達成できるか否か」の決め手は、「絶対に達成する」と覚悟する、決めてしまうことだ。「○○したい」と口にしているうちは、その手前の7割程度で終わり、決して達成することができない。何事もそうだ。「したい」ではなく「する」と決めること。これが一歩目にして最大の要因だ。

 あとは「できること」「やるべきこと」を入念に考え抜き、整理し、達成するまでやり続けるだけだ。リュウトやセイタを中心に、振られても振られても勧誘の努力をつづけた。そしてついに、16名の1年生を獲得することができた。


 

 入部式の日の午前、保護者説明会を開き、指導理念などについて1時間半ほどお話しさせていただいた。想定以上に多くの親御さんにご参加いただけたのは、本当にありがたいことだった。

 その後の入部式には、多くのOBも来てくださった。まだ曖昧なフレームだが、この日をもって保護者会とOB会を立ち上げさせていただいた。大きな声で抱負を語る16名もの新入部員たち。それを見守る人間味溢れる素敵な上級生たち、保護者の皆様、OBの皆様。


 チーム名は「アルタイルズ」に決まった。平塚といえば七夕まつり。天の川に隔てられた織姫と彦星の話だが、彦星はワシ座の一等星・アルタイルとされている。

「想い強ければ 願いは叶う」

「願いは 叶えるためにある」

希望を胸に、平塚工科高校ラグビー部・アルタイルズが始動した。


キャプテン・カズマサ

『ラグビーというスポーツは体と体でのぶつかり合いなので、体を強くするために厳しい練習もあります。辛くて辞めたくなることもあると思います。ただ、仲間と厳しい練習を乗り越え、目標を達成した時には、必ず心身ともに強くなっているはずです。

自分は部長として頼りない所もありますが、これから強くなっていくために残り1年間誰一人欠けることなく頑張っていこうと思うので、協力していただけると嬉しいです。』


ソウタ

『ラグビーの体験を2回行って、2回目の体験で皆と話し合って協力したりするのが楽しくなってきました。それから4日間じっくり考えて、自分に合うと思って入部しました。

最初はパスなど基礎的な練習をしてみて全くうまくいかなかったけど、友達のアドバイスをもらって今ではちゃんとパスが出来るようになりました。ディフェンスはバスケをやっていたので、相手の動きについていけるようになりました。

声が小さくてパスがもらえない時があるから、まずこの1年間で声を大きくします。楽しくラグビーが出来るようにしっかり練習をしていきます。』


カイ

『私がラグビー部に入部した理由は体を鍛えたかったことと、精神面・人間性が鍛えられさらに、いろいろな会社からの評判も良く就職するのにも有利だということから入部を決めました。

先輩や同学年の人達皆が皆いろいろな性格が有り、いろいろなことを考え感じています。その中でこれだけ楽しく部活ができているのはラグビーにあるのではないかなと思いました。皆で同じボールを追い、奪い、攻める。そして、皆で守る。皆が皆同じことをするわけじゃないけど切磋琢磨して皆で鍛える事によって、絆が生まれてチームが成り立っていくのだと感じました。それはラグビーだけではないけれど自分の体を張ってボールを止める事によって信頼感も生まれてさらに絆が高まる。それはラグビーならではかなと思っています。

仲間が増えるという喜び。皆で鍛えるという楽しさ。それを改めて実感させられた1ヶ月でした。

俺よりガタイのいい奴をぶっ飛ばしたい。まだ体もなってないし、パス技術、ステップなどまだまだいろいろとなってなくて弱いです。でもその分伸びしろがある。これから筋トレやパス回しなど頑張ってチームに貢献できたらいいなと思っています。』


ショウゴ

『入部の動機は、先生が面白かったからです。体験会がとても楽しかったです。友達がたくさん増えたことも嬉しかったです。みんな個性が豊かで、とても楽しいです。これからは、ステップとタックルを頑張って、強くなりたいです。』


ユウマ

『俺がラグビー部に入った主な理由は小学、中学とラグビーを続けていたので高校になっても続けたいと思ったのでラグビー部に入りました。ラグビー部の雰囲気もかなり好きです。また、1ヶ月間やってみて同じ年齢のヤツらと自分達のラグビーを作っていくという感じがして改めてラグビーの楽しさを知る事が出来ました。

これからの抱負は勉強、部活、アルバイトに自分でしっかりと優先順位を付けて高校生活をenjoyする、就職のための高校生活を本末転倒にならない様にする事です。』


ヨシキ

『最初は運動部はめんどくさいと思ってたけれど、ゲンキに誘われて部活の体験に行ってやってみたら楽しかったので入部しました。1ヶ月やっての感想は、先輩はアドバイスなどをしてくれたりしていい人達だし、他の1年生ともラグビーをやっていて楽しいです。少しでも上手くなって試合とかに出たときチームの役にたてるようにしたいです。あと、体力と筋肉をつけたいです。』


タカノリ

『体験をしてみて楽しかったし、去年の先輩が有名な会社に入ったということを聞いたので、自分も有名な会社に入りたいと思ったからです。1ヶ月部活してみて、楽しいし、友達とも仲良くなっているので毎日楽しいです。

これから先生に色々と教えてもらって上手くなれるように頑張っていきたいと思います。それと試合の時に相手に負けない強人な肉体になりたいです。』


ゲンキ

『入部した動機は、前からラグビーしていて高校でも続けていきたいと思ったのと、小学生の頃から一緒にやってきたマキ君とまた一緒にやりたいと思ったからです。

最初はどれくらい人が入るのか不安でしたが、松山先生や先輩達のおかげで15人揃って楽しくラグビーが出来て、先生もみんなのためにわかりやすく教えてくれてよかったです。諦めずに辛い練習も乗り越えて、試合にもたくさん出ていい結果を残せるようにしたいです。』


マサヤ

『最初は、あんまり入る気無かったけど、体験に行って先輩方が優しく教えてくださったから入ろうと思いました。1年生で沢山の仲間とラグビーをやって来て、チームプレーは大事だなと思いました。湘南高校や希望ヶ丘高校のラグビー部に負けないくらいの体格を作って、どんな相手にも立ち向かえるようにしたいです。』


コウノスケ

『自分はラグビーの経験はまだ2年と半年くらいですが、できるだけ、まだラグビーをやったことがない人たちに何を、どうやったら上手くなるとかを上手く教えるのが大変でした。

でもこの学校に入って、もともと小さい頃からラグビーをやっていたユウマ君とゲンキ君がいて、とても心強かったです。しかも3人も知り合いがいたのは本当に奇跡だと思いました。

これからはどんどんみんなでアドバイスし合ったりして、試合に必要なプレー、サインなどを頑張って、勝ちたいです。』


イッペイ

『入部動機は、最初誘われて体験に行って楽しくて、友達の誘いもあり入部することを決めました。この一ヶ月間は、毎日筋肉痛だったけど楽しく練習が出来ました。これからの抱負は、筋肉をつけて良い体を作ることと、試合に出ることです。』


ショウ

『1日4000kcalを目標に頑張り、ウエイトトレーニングもしっかりやって筋肉を増やしたいです。あと、しっかりキャッチもでき、パスの精度も上げて行きたいです。日々の練習にしっかり取り組み、試合で沢山活躍出来るようになりたいです。

甘いものや油っこいものはあまり多く食べれなくて、もともと脂肪があまり無い状態かもしれないですけど、これから四大部位()10cm以上アップを目標に頑張りたいです。あんまり体を大きくしたくはないんですけど胸板は厚くしたいです笑』


アラシ

『入部した理由は、自分は部活に入りたいと思っていて、ラグビーの体験会に参加して一番しっくりきたので入部しました。一ヶ月間の感想は、仲間とかいっぱいできてすごく楽しかったです!これからの目標は、試合に出てパスをもらったりトライをすることです。』


レオ

『自分がラグビー部に入部した理由は、まだ自分が何部に入ろうかと迷っていた時に、先生や先輩立ちに誘われて、体験会に参加させてもらったところ、とても楽しく先輩達の指導も丁寧だったので入部しました。

先生や先輩達がとても親切にしてくれて、試合に向けての練習等にもとても熱心だと思いました。

友達もたくさん出来て、先輩達とも仲良くなれたと思いました。あと、ご飯を食べる事が大切だということもわかりました。

体力を付け、筋トレをして筋肉を沢山つけて、誰からのタックルにも動じず、体を活かして皆が通れるように道を切り開いてけるようなプレイヤーになっていきたいと思います。

これからよろしくお願いします。』


シオン

『入部の動機はラグビーがやって見たかったからです。1ヶ月の感想は慣れれば楽しそうな部活だな~と思いました。試合で何人かをボール持って交わしたりトライをとったりしたいです。』

カイリ

『入部動機は、「部活動をしたい」と元気君に話したら誘われたので、体験に行きました。その時にラグビー部がトテモ楽しそうに見えたからです。抱負は「やったからには最後までやり通す」を自分の中に実現するために、3年間最後まで投げ出さずに頑張ります。』


アスカ
『入部の同期は、スポーツ、特に筋トレがしたかったからです。ラグビー部は筋トレの器具も充実しているし、先生の筋肉もすごい・・・。あと、松山先生にめっちゃ誘われたのも理由の一つです。入部してみて、最初は浮くかと心配していたけど、みんなフレンドリーだし、リュウト先輩やセイタ先輩が気を使って輪に入れてくれたおかげで、楽しく練習しています。』


ひな

『私はソフトテニス部に入ろうかと思っていました。 部活動紹介の動画を見て、ソフトテニス部の先生に部活の体験を聞きに行こうと思ったのですが、その時丁度先生が見当たらず、また明日、と思い帰ろうとした時、バスケ部の先生に「マネージャーをやるっていう手もあるよ。バスケ部考えてみてくれない?」と言われ、マネージャーの道も考えました。

そこでカイに相談したところ、ラグビー部に誘われ、体験に行きました。私にとってラグビーなんてテレビの中のスポーツで、人生でラグビーのボールに触れるなんて考えたこともありませんでした。中学にはないし、私の周りでラグビーをやっている人もいなかったので、凄く興味が湧きました。そして、マネージャーをやろうと決めました。

私は中学の頃部長をやってたのでとても分かりますが、スポーツの中で精神面はとても大切で、精神面がやられてしまうと怪我にも繋がる場合が多いので、怪我をしたら当然出来るだけ治癒はしますが、精神面でも選手の相談にのれたら良いなと思います。なかなか男子が女子に相談っていうのは男子からしたら言い難いかも知れませんが、そこで相談にのってもらえるようにするのが私の目標です!』

新入部員の皆さん

 入部おめでとう。そして、仲間になってくれて、本当にありがとう。「誘われたから」「体験会が楽しかったから」「就職がよさそうだから」など、さまざまな理由を思っているだろうけど、入部の動機はきっとそれだけではないはずだ。

 どれだけ「自分に合うポジションがあるから誰でも大丈夫」と言われたところで、ラグビーが楽で心地よいスポーツだとは決して思わなかったはずだ。激しい、時には痛い、勇気も責任感も必要。それくらいは、きっと想像できただろう。


 それでもラグビーに挑戦しようと思ったのは、きっと「新しい自分になりたい」「もっと強くてカッコいい男になりたい」という純粋な自己変革欲求があったからに違いない。そんな気持ちに従い、勇気を出して入部を決意することができたみんなは、本当に素晴らしいと思う。

 3年間、辞めずにラグビーを続けていれば、それだけで必ず素敵な人間になるだろう。どうか「変わりたい」と思った自分の勇気ある決断を忘れることなく、自分をあきらめることなく、3年間仲間と一緒に頑張り抜いて欲しい。

「ラグビーは少年をいち早く大人にし 大人に永遠に少年の魂を抱かせてくれる」

元フランス代表主将 ジャン・ピエール・リヴの言葉だ。 

 ラグビーはいちいち人間を試してくる。その全てのプレーで人格が問われる。15人対15人という球技最多人数の選手たちが、100m×70mという広大なスペースで闘う。巨大な男が自分めがけて突っ込んでくる。「逃げるのか」「ごまかすのか」「立ち向かうのか」日常生活では隠せたかもしれない真の自分の姿が露呈する。雄弁な者よりも、体を張る者が仲間からの尊敬を得る。


 野球よりはプレーが連続し、サッカーよりは分断される。一瞬の判断が求められつつ、仲間と話して意思統一する時間も頻繁に訪れる。各自の判断と意思統一によるチームワークの共存に、絶妙な間だ。

 勇気・責任感・自己犠牲・思いやり・優しさ・判断力・決断力、挙げればきりがないほど、人格がプレーを決める。だからこそ、己の人間性が磨き上げられ、自分へのプライドと仲間への深い敬愛が生まれる。なるほど、イギリス紳士育成手段として発展したスポーツだ。


 そんなラグビーをやった者同士の仲間意識は極めて強く、「ラグビーをやっていた」というだけで、居酒屋でたまたま隣り合わせた他人ともすぐに意気投合し、肩を組んでビールグラスを傾ける(ときに、店の前の路上でスクラムまで組み始める・・・)。

 ようこそ、ラグビーの世界へ!このスポーツはどこまでも味わい深く、気が付けば中毒のように自分に染み込んでくる。

 ティッシュ箱など日常生活で手にした物体にスクリューをかけはじめたら、素敵なラグビーマッド(中毒)の始まりだ。




OBのみなさん、いつでも後輩たちがお待ちしています!!