コロナ休校中の取り組み18策(6月更新)

2020/06/13

 「いま困っている人のために、何かできることをやりたいです」
リーダーグループ5名と私の6名で初めて開催したZOOMミーティング。開口一番でキャプテンがそう訴えました。
 「アルタイルズは災害があればすぐに募金活動を行ったり、平塚七夕祭にボランティアスタッフとして参加したり、常に誰かのために何かをやってきました。だから今何かできることはないかと思い・・・。」
 実にうちのキャプテンらしい発想です。そんなキャプテンの意志を受け、チーム全体で初めて行ったZOOMミーティングで、このテーマについて全員に考えてもらいました(ZOOM内のブレイクアウトルームを使い、4人組で話し合ったり、スプレッドシートに全員入力したり)。
 その結果、「いまチームがオンラインでやっている様々な工夫をSNSなどで広く紹介する」という結論に行きつきました。

 ステイホームの今、私たちにできることはオンラインしかありません。しかし、自分たちの身の程や影響力を考えると、世の中全体のためになることは到底思いつきませんでした。しかし、これならラグビーだけに関わらず、日本のどこかで大好きなスポーツを我慢して悩んでいる誰かにとって、もしかしたら少しは役に立つかもしれません。
 それほど大したことをやっているとは思っていません。様々な指導理念がありますので、自主性や主体性を考えたときに、むしろ不要と思われるようなものもあるかと想像します。それでも、もしかしたら「あ!これ面白い。うちもやってみようかな」「うちならこうアレンジした方が面白そうだな」と活用してもらい、少しでも笑顔増え、充実感を味わってくれる方が一人でもいたらいいなと願っています。

休校中のアルタイルズの取り組み

① 毎日シート(グーグルスプレッドシート)

1枚のシートに毎日入力する(タブで日を更新)。
規則正しい生活、具体的目標に挑み続ける毎日、自己分析、仲間への理解などが目的。
項目は「起床時刻」「就寝時刻」「体重」「トレーニング目標(160分以上を週5日が共通ノルマ)」「勉強目標(ラグビー映像含む)」「食事目標」「心作り行動目標(善の行い、家事、感謝の行動など)3つ以上」「今日の自分採点(10点満点)」「日替わり欄」「明日の俺へのメッセージ」「仲間からのコメント」

目標4項目は翌日に○×入力。「具体的」「数値つき」「目的が明確」が記入上のポイント。
日替欄は例えば「今日の自分を英単語1つで表現」「今日の最高の瞬間」「今日の自分を動物で表すなら」など一日の自分を表現するもの。
夜の23時までに全員入力完了。翌日午前中のうちに、4人組グループ内で誰かの入力内容を読んでコメントを入力する。


② 映像課題(グーグルクラスルーム)
4日に1度程度。5個ずつプレー映像(各20秒程度)を配信。「何が優れていて何がダメなのか」について、各自が考えて添付のグーグルフォームで解答。期限時刻に松山がどう分析したかの解説をグーグルフォームに入力。
全部員の解答と松山(監督)解説が自動で転送されて作成されたグーグルスプレッドシートが完成。
当番制で指名された誰かが全員の解答と松山解説を読み、各自の名前の横にABC評価を入力。全部員の解答、松山解説、ABC評価が一覧となったシートを最後に全員に共有。よく読んで理解してもらう。
こちらとしては部員が上げてくる解答の内容や質はあまり気にせず、「自分なりに考えたという事実」と「解説を読んで理解度を高めてもらうこと」の2つが目的。


③ プレー特集作り(グーグルドキュメント)
アルタイルズが身に付けたいプレーを10項目、タイトルだけドキュメントに貼っておく。それに対して、全部員が協力してそのプレーに該当する映像を探し出し、その動画のURLと「何分何秒のプレー」と書き込む。
項目例 「ジャッカルに対して斜めから入ってねじり倒すスイープ」「1次に必殺サインでスパッと抜いてトライ」「鋭い出足からのダブルタックルで倒し、そのままカウンターラックでターンオーバー」など。
10項目を探し出すつもりで色々なゲーム映像を見ると、映像観戦の質がかなり高まる。また、練習が再開したときに提示する「これからの戦術戦法」などの映像材料として残る。


④ 映像分析バトル(グーグルスプレッドシート)
ラグビー理解を高め、相手の何をチェックし、それならどう対処すべきかを瞬時に考えられるような力を身に付けることが目標。
4人1班(FW2人BK2人)。2班による一騎打ち形式(全部員が参加するので何試合かになる)。
まずそれぞれの対戦における分析ゲームを指定し(URLを貼る)、どちらの班がどちらのチームを担当するか決める。例えば「A班対B班は昨年の国学院栃木(A班担当)対報徳学園(B班担当)」など。
全班共通の分析入力シート(グーグルスプレッドシート)を配布し、4人が力を合わせて1枚の分析シートを作り上げる。
シートには担当チーム(A班なら国学院栃木)のアタック、DF、セットプレー、キーマン、レフリーの特徴などの「分析」と「攻略法」の欄があり、全ての欄に点数がついていて、それを足すと100点満点になる。
期限内に入力完了したらシートの採点。各対戦には2名ずつあらかじめ指定された「レフリー役」は二人で話し合いながら、両班(A班とB班)のシートを採点し、合計スコアを出す。それぞれの班は相手のスプレッドシートのリンクを教えていないので相手の状況やスコアは分からない。
最後に、それぞれの対戦が何対何でどっちの班が勝ったかを全員に公開。さらにチーム内の全ての班の分析シートも公開し、お互いが見合う。


⑤ ルールテスト・セオリーテスト(グーグルクラスルーム)
2週に1回程度。毎回100点満点(10問程度)の小テストを配信。入力送信と同時に採点結果と回答解説が表示されるので、よく読んで学習する。得点上位5名を発表する。
セオリーテストでは、一般的なラグビーのゲームの運び方やプレー中の考え方に加え、アルタイルズのゲーム運びや様々な状況下での考え方もテスト。


⑥ 目標設定&自己分析シート(グーグルスプレッドシート)
毎月1枚。「理想のプレーヤー像(アタック、ディフェンス、メンタル)」「そのために必要な力」「そのためにやるべき努力」「だから今月は何をやるのか」という流れで、「スキル」「フィジカル」「栄養睡眠」「人間力」の4項目についてそれぞれ入力。
トレーニングをする目的、理想、ゴールがそもそも何なのかを鮮明にすること、各自がなぜそのトレーニングをするのかの理由を明確にすることが狙い。
それ以外に「体重」「ベンチプレス」「胸腕足のサイズ」「シャトルラン」の数値目標。
「いいときの自分の姿」「悪いときの自分の姿」「いい姿を保つための予防策」「チームメイトへのコミット(決意表明)」「自分へのメッセージ」
これらをすべて入力し、全員をタブで並べてお互いが見合うことができる状態になる。


⑦ 計測・目標・ライバルシート
自分ひとりで自宅か公園でできる計測メニューを1枚のシートにして、全員で入力。
他校の部員も同じシートに入力し、揃ったところでポジション別に並べ替え他校とごちゃまぜにする。全項目について、1ヶ月半後の「目標値」「自チーム内ライバル氏名」「他チームライバル氏名」を入力し、自分の成長を意識する縦軸の目標とライバルとの競争を意識した横軸の目標を設置。
【計測項目】
体そのもの=「体重」「4サイズ(胸、腕、大腿、首)」
パワー、瞬発力=「腕立てジャンプレベル」「立ち幅跳び」「独自三段跳び」
筋力=「腕立て回数」「腕立て秒数」「腹筋秒数」
持久力=20m×25往復タイム
柔軟性=股関節、肩甲骨、足首
ポジション別スキル=パス距離、SHパス距離、スロー距離、FW姿勢秒数

⑧ ZOOM トレーニング(ZOOM
火曜は学年別。木曜はFWBK別。土曜は全員で。1回40分以内。スマホでお互いがコミュニケーションを取りやすいよう、火木は4人組。トレーニング効果はあまり期待していない。目的はチームワーク、お楽しみ、日常への刺激。できだけおしゃべり推奨。
やるトレーニング内容は事前に決めて、ラインに動画を流すなどして先にイメージしておく。


⑨ トレーニングリレー(ライン)
「お勧めトレーニングメニュー」の動画(URLや自撮り等)か資料を全員に共有。指名された人は3日以内にラインにアップし、次の当番を指名する。室内で可能なメニューなら、その週のZOOMトレでは必ずそのメニューを全員やってみる。そしてその感想を2名ずつがチームラインで発信する。
同時に、「今日の自分のトレーニング」を20秒程度自撮りし、それもアップする。
トレーニングのマンネリ打破とお楽しみによるチームワーク維持が目的。


⑩ プッシュアップ選手権(グーグルクラスルーム)
ある指定された1日の間に行った腕立て伏せの合計回数をグーグルフォームに入力。目的は遊び的なものなので、トレーニング効率は度外視。第1回は翌日トップ10を発表。第2回は3人グループによる団体戦とユニット別3グループ内での個人戦を並行開催。さらに「1セット内での最長回数」NO1と「1日の合計回数NO1」にプチ景品。


⑪ ロングランコンテスト(グーグルクラスルーム)
ある指定された3日間に走った距離の合計をグーグルフォームに入力。第1回は翌日トップ10と、学年平均kmでどちらの学年が勝ったかを発表。第2回は3人グループによる団体戦とユニット別3グループ内での個人戦を並行開催。さらに「1日内の走破距離NO1」と「2日間の合計距離NO1」にプチ景品。これも遊び目的。


⑫ 何でもコンテスト
「料理バトル」「写真コンテスト」スプレッドシート

作った料理の写真とその説明文を匿名で全員がアップし、投票してチャンピオンを決める。
ランニング中に撮った写真を同様にアップし、投票でチャンピオンを決める。これは説明文はあえてなし。
両方とも、「素晴らしい」部門と「面白い」部門あり。



⑬ ツイッターリレー(ツイッター)
「その日の出来事とつぶやき」のツイッター投稿をリレー形式で回していく。アップ作業をするメディアリーダーの2人が内容に問題がないかチェック。指名されたら3日以内にアップして次の人を使命。チームワーク向上が目的。


⑭ チームワークリレー(ライン)
イベントリーダーが不定期に変更するお題に対しての回答をリレー形式でチームラインにアップする。チームワーク向上が目的。

 ZOOM セミナーZOOM
有名プロ選手によるZOOMセミナーに参加。事前に自分たちのゲームを映像でチェックしてもらい、何が問題でどう改善していくべきかを共有していく。
ZOOMの画面共有機能で映像を全員で確認したり、ブレイクアウトルームによる少人数トークも活用。詳しくは前回記事。


⑯ ZOOM ミーティング(ZOOM
全体ミーティングの目的は、一人ひとりがミーティング力を高めること。具体的には自分の考えを端的に伝える力、他者の考えを聴き取る力、話をまとめる力を身に付けることがゴール。毎回3つずつの議題。議題によってはあらかじめラインで流し、各自で考えを準備しておくこともある。ZOOMではブレイクアウトルーム(小部屋機能)を利用し、「3~4人組小部屋ミーティング→全体での共有」を3回繰り返す。各議題を話し合う時間は4分。
議題によってはミーティング終了後にクラスルームのグーグルフォームで全員に回答を入力してもらい、スプレッドシートの一覧をみんなで共有。

全体ミーティング以外に、リーダーグループ、メディアグループなどのチーム内に元々あるグループ毎のミーティングもあり。自分が入るミーティングと部員だけのミーティングの両方を行う。

⑰ ZOOM 面談(ZOOM
目的は監督と部員間の理解の一致とモチベーションの維持。1対1だと緊張してコミュニケーションが硬くなるので、個人面談ではなく部員2人対自分(監督)1人の3人面談。2人の組み合わせは、仲が良さそうなペアをリーダーたちに作ってもらう。
例)第1回面談の目的:「監督からの受容感を確認する」「所属意識を保つ」「意欲を上げる」
話してもらう内容:「毎日シートの確認(つまりどんな毎日か)」「何を特に頑張ってきたか」「これから1ヶ月は何を特に頑張るか」「特に頑張っている家事」「希望進路の確認」など。

⑱ ユーチューブ学習(ユーチューブ)
「フィジカル」「スポーツ心理学」に関する特定のお勧めチャンネルを3つ指定。この3チャンネルは全員視聴して勉強。それ以外にもお互いがいい動画を発見したらチームラインですぐに全体で共有する。


 これらが6月13日現在の取り組みです。これからまた様々なアイデアを出し合い、面白いことを考えていきたいなと思っています。
 あと少しの辛抱だと信じて、お互い頑張りましょう!