日英親善試合 vs Trinity School  『夢の時間』

2018/07/31

 「世界とつながること」そこにお金もビジネスも全くからまず、「ラグビー」というお互いが愛する世界共通の文化を通じて交わる。激しく戦い、肩を組み、「Kanpai!」の合図でグラスを傾ける。日本のラグビー選手でこんな幸せな経験をできるのは、きっと何%もいないだろう。
 2018年7月、昨年のラフボログラマースクール戦に続き、今年も日英親善試合・トリニティスクール戦が、YC&ACグランドで行われた。

 相手のトリニティスクールは学校創立400年を超えるイングランドの超名門パブリックスクール(私学)。会場のYC&ACは日本ラグビー発祥の地だ。この施設の門をくぐると、いつでもイギリスの空気が流れている。この異国感漂う日本ラグビー発祥の地で、ラグビーの母国・イングランドのチームと対戦する。勝敗や相手との力差など全く気にならず、もうそんな事実だけで幸せだ。
 個人的にはイングランドのチームと対戦するのは、今回が4年連続6試合目。前任校のように単独で海外のチームと戦える戦力はまだもっていないので、昨年は平塚学園の力を借りて合同チームという形で参戦させてもらった。

 今年は1試合を4分割してもらい、前半の2本(25分ハーフ)を湘南工大附属高校にやってもらい、後半の2本(15分ハーフ)をアルタイルズでやらせてもらった。残念ながらケガ人事情に加えて就職試験に直結する会社見学やインターンシップと日が重なりベストメンバーは組めなかったが、その分5名もの1年生がこの貴重な機会を経験することができた。
 対するトリニティスクールはファーストチーム(1軍)しか来日していないので、4本ともほぼ同じメンバー。実力のほどは、花園常連校・新潟工業に完勝するなどこの日本ツアーはこの最終戦まで無敗という強さだ。

 そんな相手に対し、最初の2ハーフで湘南工大が魅せた。タックルとブレイクダウンという「格闘」の部分でイギリスの巨人たちを圧倒。「低く・激しく・何度でも」を体現し、大健闘どころか見事に勝利した。
 いよいよ後半2ハーフ。アルタイルズも湘南工大のように戦いたかったが、ブレイクダウンをトリニティに制され、アタックが継続できなかった。スコア的には完敗。しかしDFで十分戦うことができた時間も多く、力及ばずとも自分たちのラグビーを少しは出すことができた。


 ゲーム後はYC&ACのレセプションホールでアフターマッチファンクション。トリニティ、アルタイルズ、湘南工大附属の3チームが混ざってテーブルにつき、飲食やスピーチ、パフォーマンス(出し物)などを、必死の英語で?楽しんだ。

「ゲームの後にアフターファンクションをやらないで解散するなら、それはラグビーではなく別のスポーツだ」
 あるイギリス人がそう口にしたという記事を、かつて読んだことがある。なんて素敵な内容だろう。それほどまで素晴らしいラグビー文化を創り出してくれた母国の末裔たちに感謝し、アルタイルズはジャパニーズコント?を、湘南工大附属はダンスを披露した。ヘッドコーチはじめ多くのトリニティのスタッフが、「最高のホスピタリティ」という単語を連発するほど、大満足していただいた様子だった。


 最後は花道を作って英国紳士たちを送り出し、夢のような時間が終わった。何とも言えない特有の高揚感と充実感が体中に満ち溢れたまま、各自は家路についた。



リュウト
『昨年に引き続き、今年もイギリスのチームとYC ACで試合をやることができました。去年と違い、約30分の間アルタイルズとして試合ができすごく楽しかったです!
試合後のアフターマッチファンクションでは、イギリスの選手たちとカレーを食べながらいろいろな話ができとても良かったです!
本当に場所、相手全てが特別なものであり、すごくいい経験になったしいい思い出になりました!』


ユウマ
『今回のイギリスとの交流戦は2回目で去年と同じくらい戦えるだろうと思っていました。しかし、実際にはかなりの差があり自分の不甲斐なさが身にしみました。しかし、今後このような力に差があるやつらとやるには自分自身が進化するしか無いのだと知ることが出来ました。

 アフターマッチでは、イギリスの人たちと同じテーブルに座りカレーを食べました向こうの人達もカレーが好きだと言っていました、スプーンではなくフォークで食べていたのはとても印象的でした。みんなで準備した出し物は受けがよく楽しく演じることができました。

 相手のロックのザックという人と仲良くなり出し物の時にかぶっていた虎のかぶり物をあげたらとても喜んでくれました。今回の交流戦はとても多くの事を学び感じ、プレイヤー的にも人間的にも大きく成長できたのでこの機会を作ってくれた松山先生やイギリスの方々、YC &ACの人や湘工の方々、そしてチームのみんなには感謝の言葉もありません。』


カイリ
『今回自分は、初めて外国人選手と試合をしました。そこには、明らかな力の差がありました。でも、とても楽しめて、自分のこれからの成長に繋がる、とてもいい経験でした。
試合の後のアフターマッチファンクションでは、他の学校の生徒達と、美味しいカレーを食べ、それぞれの学校で催し物をしました。
海外の人とも話せて、皆が笑顔で過ごせたとても楽しい時間でした。』


翔太
『今回はイギリスの人達と試合をしました。自分たちと違って同じ人間なのに体格もよく身長も高く想定外の強さでした。特にタックルされたあとのすぐにオフロードパスでどんどん繋いでいくというプレーがすごいと思いました。この経験を無駄にせずにこれからもっと練習を頑張っていきたいと思います!』



 アルタイルズ発足から1年4ヶ月。チーム内の個人の意識差はかなり拡大している。勝利の追求、挑戦、そのための自律。すなわち真の楽しさを求める者の割合が少しずつ増えてきたからだ。YC&ACでのこの記憶は、きっとまたその割合を増やしてくれるだろう。

 さぁ、次は聖地・菅平だ。






https://youtu.be/iT3LqCEJkew
↑ アフターファンクションのパフォーマンスです!